なべ帽子と鏡開き

ゴグとマゴグに守られてテレビの前に鎮座していた鏡餅を開く日がやってきた。

お汁粉が大好物の私は毎年この日が楽しみである。あずきを煮るときはこれまで圧力鍋を使う方式を採用していた。早くて簡単だし美味しくもできるが、豆の形が崩れてしまうのが気になっていた。今年はじっくりコトコト方式に変更。豆の形を美しくしたいのもあるが、可愛いなべ帽子を手に入れたので使いたくてしょうがないのである。

2回茹でこぼしたあずきをもう一度沸騰させたらなべ帽子へ。3時間後にまた沸騰させてなべ帽子に戻したら今度は一晩おく。

キッチンの片隅にこの愛嬌のある姿を見るたび、笑みがこぼれる。この中であずきがいい感じに煮込まれていると想像するだけで胸がワクワクする。

一晩置いたあずきを沸騰させ、アクを取り除いたらお砂糖を投入。10分ぐらいで出来上がり。

鏡餅には丸餅が2つ入っていた。網でこんがり焼いてあずきと一緒にお椀に盛り付ける。付け合わせはゆず香る白菜のお漬物だ。前回漬けたとき味がぼんやりしていた白菜も今回はバッチリ。甘い、しょっぱい、甘い、しょっぱいのループに極上の幸せを感じる。日本人に生まれて本当に良かったなぁ。

ネットフリックスのドラマ「阿修羅のごとく」を見ながら美味しくいただいた。向田邦子さんのドラマを見終わると、あぁ、お正月も終わりだなと思う。まだ実家にいたころの、この感覚が懐かしい。


#鏡開き #お汁粉 #白菜の漬物 #鍋帽子 #手作りおやつ

てがみまYukoのふみあかり

田丸有子。 手紙の書き方コンサルタント。 札幌出身、東京都在住。 情緒があるものやエレガントなものに惹かれる50代。 無類の手紙好き。L.M.モンゴメリの小説が愛読書。 すきな言葉は「雲心月性」。

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