青山美智子著『木曜日にはココアを』を読了しました。
読後感
物語は、短編を連ねている形式(連続短編小説というのでしょうか?)で、最初の物語に登場する人物のうち一人をフォーカスして次の短編、また次の短編へと続いていきます。ある物語では通りすがりぐらいの立ち位置だった人が次の物語では主役になり、その物語に出てきた友人役が次の物語の主役になる、そんな具合で物語は進み、最後はなるほどそこに辿り着くのね! と気持ちがスッキリするような流れになっていました。
全体的に、あぁこんなことあるわよね、こんな気持ちに私もなったことがあるわと、感情移入はいとも容易く、自分とかけ離れていない人物たちにドキドキハラハラさせられます。けれど、やさしさや思いやりに溢れた物語ばかりなのでご安心を。ただ電車の中で読むのはやめた方が良いかもしれません。涙を堪えるのが大変なときもありますから。
最初の短編「木曜日にはココアを」はカフェの店員の男性が主人公。そのカフェにやってくるある女の人(店員さんがココアさんと心の中で呼んでいる)は決まった席で毎回手紙を書いています。
このIT時代に長文を手書きしてるってこと自体がちょっと謎めいているのに、こんなレトロアイテムを愛用しているココアさんは、ますます現実離れして見える。
私もカフェで手紙を書くことがしょっちゅうあるけれど、周りの人からこんなふうに見えているのかしらん。
マーブル・カフェと出会って私は、手紙を書くのに最高の場所を見つけたと思いました。私が私らしく、自分を解放してメアリーとコンタクトを取ることができる特別な空間。
切実に、こんなカフェを身近に見つけたい!
続編として『月曜日の抹茶カフェ』があるようなので引き続き読んでみたいと思います。
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