東京ステーションギャラリーで開催中の『生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った』展を鑑賞。
布や紙を貼ってコラージュするようにして魚や野菜など身近にあるものを表現した作品が並ぶ。「とにかく良く見る」が基本姿勢だった宮脇綾子さん。お料理するとき、野菜の断面を見て「なんて美しいの!」と見惚れてしまい、料理が進まないことも多々有ったようだ。
「この世の中に生きているものはひとつとしてまったく同じものはありません」
よく見て、違いを面白がる。違う美しさを発見して感動する。それを作品で表現する。たとえば、一般的にはあまりよく見てもらえないであろう部分、根菜の根っことかヒゲとかサヤエンドウのスジとか…作品を見ているとそういうところにこそ宮脇さんの愛情が宿っているように感じた。素材の性質を知りつくしていて、思いもかけないところに使う驚きに目を見張る。目のつけどころがとにかく楽しい。何を美しいと思うのか、何を面白がるのか。作品を見ていると「ちゃんと目を凝らせばどこにでもそれは在るのよ」と宮脇綾子さんの声が聞こえてくるようだ。そしてもう一つ「時間をかけないとちゃんと見えないわよ」とも。時間に追われていては、すぐそこに在る面白さにすら気づかずに通り過ぎてしまう。焦らずじっくりていねいに。
3種類のパンフレットがどれもすてきだったので全部いただいてきた。封筒を作ろう。
#展覧会 #宮脇綾子 #芸術鑑賞 #美術展
0コメント