瑠璃の星、ひたとあり

上京したアンの友達・ミワコちゃんに会いに東京駅へ。会うなり、あのね、あのね、とおしゃべりが弾む。

新丸ビルにある香港料理の「真不同 HONG KONG TEA ROOM 1946」でお昼ごはん。”焦がしネギの和えそば”のデザート&ドリンクセットを注文した。以前ここで、ミワコちゃんと飲茶のアフタヌーンティーを食べたことがあり、そのとき他の人が注文した焼きそばがとても美味しそうでまた食べにきたいという念願が叶った形だ。和えそばは、ひたひたのスープと上に乗っている大量のネギと麺をよく混ぜ合わせていただく。う〜ん、美味しい。途中で黒酢と辛味を追加して味変しながら食べられるところも気に入った。

このお店はブルーウィローの食器でお茶を出してくれる。ブルーウィローは『赤毛のアン』に出てくるお皿で、ミワコちゃんも私もそれを知ったときから魅かれた大好きなアイテムである。バーレイ社のブルーウィローがテーブルに並び、2人ともごきげんである。デザートは杏仁豆腐。お茶も杏仁の香りがする紅茶にした。

お腹が満たされたあとは、今日のメインイベント会場である静嘉堂文庫美術館へ歩いていき、『黒の奇跡・曜変天目の秘密』展をじっくり鑑賞する。お茶を習っているミワコちゃんに質問をして教えてもらいながら歴史あるお茶碗を見るのは楽しかった。

国宝「曜変天目(稲葉天目)」は何度目かの鑑賞だ。見せ方の影響もあるとは思うが、やはり他とは一線を画す異彩を放っており、眼福の思いを新たにした。吸い込まれそうなお茶碗の中にある宇宙は何度観ても胸が痛くなるような感じがする。いったいどんな人が作ったのだろう。興味は尽きない。展示されている部屋に曜変天目を描写する言葉が映し出されていたのだが、その中の「瑠璃の星、ひたとあり」には2人とも感嘆した。ひたとあり。これほど言い得て妙な表現があるだろうか。

その後、ミワコちゃんのリクエストでKIKIに行ったが満席で座れず、それは次回のお楽しみとなった。日曜日ということもあり銀座はものすごい人出だったので、カフェ難民になるのを避けるべく馴染みのお店に行くとすんなり入れてホッとした。

そんなわけで、この世のものとは思えない美しい青と同類との楽しいおしゃべりで、明日からのエネルギーは十分補充されたのだった。


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てがみまYukoのふみあかり

田丸有子。 手紙の書き方コンサルタント。 札幌出身、東京都在住。 情緒があるものやエレガントなものに惹かれる50代。 無類の手紙好き。L.M.モンゴメリの小説が愛読書。 すきな言葉は「雲心月性」。

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