会場に入る前から期待に胸がふくらむ看板。
扉を開けると、そこは吸い込まれそうな青の世界。
絵の具の青、インクの青、碧、蒼、ブルー。
1階と2階にある展示室のそれぞれの空間にテーマがある。
静かに雫が落ちる音を集めたようなBGMが想像力を広げてくれる。
本棚に並んでいる書物を一目見てホッとする。まるで我が家の本棚のよう。
ブルーのインクで綴られた詩や手紙は、文字そのものがアート。綴られている言葉は沁み入るように伝わってくるものもあれば、言葉より、言葉を紡いでいる文字そのものを見ていればそれで十分な気がするものも。不思議な感覚。
私は手紙が好きだから、綴り方として、「あぁ、こんなふうに書いたら読みやすいのか」「こんなふうに文字を連ねたらアートになるのか」と感心してばかりだった。
いくつか心惹かれる作品があったが、一番心がときめいて何度も観に戻った作品のタイトルは「揺蕩う」。その清らかな深いブルーに見入っていると作品と自分が一体になっていくようで、それは素晴らしい感覚だった。離れた今でもあのブルーを思い浮かべることができるのは幸せである。
9月も半ばだというのに最高気温35℃。詩太さんの描くブルーの清らかさに浄化され、涼を得た。
詩太さんの個展は9月21日(日)まで。おすすめ。
#アート #絵画 #詩太 #青が降る #時の雨 #手紙
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